協議離婚
協議離婚とは
協議離婚とは、調停や訴訟などの裁判手続きによらず、夫婦双方の合意による離婚のことをいいます。 日本では、夫婦双方の合意があれば、裁判所の手続きを経ることなく離婚をすることが出来ます。 国内の離婚は、おおよそ90%が、この「協議離婚」によって行われており、戸籍法第76条の定めにより、所定の離婚届に必要事項を記載の上、署名捺印をして、本籍地または居住地の市町村に提出することで成立します。 夫婦間に未成年の子がいる場合は「親権者」をどちらかに定めて記入し、成人2名の証人よる署名捺印がないと受理させません。
協議離婚の場合は、離婚後の養育費や面会交流、および、慰謝料や財産分与などは離婚届に記載する必要がありませんが、離婚後のトラブル予防のためには、きちんと条件内容を取り決めて書面(離婚協議書や離婚給付契約公正証書など)に残しておく方が安全です。
判例上、離婚は届出をする意思さえあれば有効な離婚である(「形式的意思説」といいます)とされ、債権者からの強制執行を回避することが目的であろうが(大審判昭16.2.3)、生活保護費の支給を受けることが目的であろうが(最判昭57.3.26)、夫婦二人に離婚届を提出する意思があれば、離婚は有効に成立するとしています。
夫婦のいずれか一方が離婚を希望していても、相手が離婚を望まない場合、協議で合意が得られない限り、「協議離婚」にはなりません。 別途、家庭裁判所に調停申立をして合意をするか(調停離婚)、合意がりかない場合には、離婚訴訟を起こす等をする必要があります。
もしも相手に無断で離婚届に記入して提出してしまうと、公正証書原本不実記載罪(刑法第157条)や、私文書偽造罪・偽造私文書行使罪(刑法第159条)などの犯罪として処罰されます。